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堺市立 金岡北中学校 ラグビ-部

心身ともにたくましい男子を目指します!!

チーム

常識にとらわれない発想で結果を出してほしい――。上司にこう言われた経験はないだろうか。常識を打ち破るのはそう簡単な話ではない。時間にも、お金にも、能力にも制約がある。ところが、高校ラグビー界に、数々の制約をものともせずに、というよりも、逆にその制約があるからこそ、常識をひっくり返すような逆転の発想で、大躍進を果たした指導者がいる。弱小だったラグビー部を3年で花園に出場させ、昨年は初の1勝を上げた、静岡聖光学院中学校・高等学校の星野明宏常務理事・副校長だ。「制約こそがイノベーションを生み出す」とも言えそうな、その考え方や目の付け所は、ビジネスにも大いに役立ちそうだ。


弱小だった高校ラグビー部を育て上げ、花園出場、そして昨年は花園での初勝利を手にしました。強豪校に比べると練習環境の制約も多いそうですが、どう乗り越えてきたのですか。

星野 明宏

1973年生まれ。桐蔭学園高校、立命館大学ではラグビー部で活躍。その後電通に入社し、スポーツビジネスを手がける。2007年に静岡聖光学院中学校・高等学校の教員となり、ラグビー部監督に。2012年に教頭、2015年から副校長。



星野:私は決して、奇抜なアイデアは持っていません。今、普通にあるものが、考え方によっては武器になったり、みんなが新しい方に流れる中、古さにこだわっていた自分が実は一番独自性があり、強い存在になったり、という結果です。みんなが言う常識というのはどういう方程式で出来上がっているのかを考えてみて、本当にそれが正しいのか、ちょっとつついてみるというのが、私のやり方です。
2007年に静岡聖光学院の教員となり、ラグビー部監督に就任した当初、部員は12人しかいませんでした。しかも、生徒にはスポーツだけでなく、様々なことにチャレンジさせようという学校の方針もあり、練習できるのは校則で週3日。火、木、土曜日で、1日あたり最大90分、11月から2月は冬時間ということで、土曜日以外は60分だけです。そうすると何が起きるかというと、冬場は体が温まると、練習が終わってしまうんです。
ほかの部活との兼ね合いもあり、グランドも4分の1弱しか使えません。ナイター設備もウエートトレイニングルームもありません。ないないづくしのスタートでした。いろいろなラグビー指導者に会いに行きましたが、「そんなのお前、環境を変えるしかないだろう、アホか!」とか言われるばかり。強くなるための環境とは、お金、優秀な指導者、優秀な選手、練習しやすい施設の4つですが、それが一つもないわけです。
どこから立て直したのでしょうか。
星野:まず、ポスターを作ったんです。2000何年、全国大会準々決勝、東福岡対桐蔭、伏見工業対何々、何々対静岡聖光学院というのを部室に張って、こうなったらうれしいだろうと部員に言いました。当時、みんなはきょとんとしていましたが。イメージトレーニングみたいなものです。わくわくするような目標があれば、みんなやる気が出るんです。
60分間は休みなし
しかし、イメージだけ大きく掲げても、それを支える練習環境のハンディは大きいですね。
星野:そこは発想の転換でした。まず、練習が1日60分しかできないから足りない、ではなく、60分しか耐えられない練習、すなわち61分やったら倒れてしまうような密度の濃い練習にすればいいのではないか、と考えたのです。
まず、練習で自分の番が来るまでに並んでいる時間をなくしました。何時間練習していても、そのうちの多くは事実上、順番待ちなどの休み時間なんです。2~3人一組にして、とにかく休みなしで動き回らせるようにしました。水を飲みに行くのも全力ダッシュ。先生が集合と言っても全力ダッシュです。
水を飲むためや、先生に呼ばれて集まる回数が60分に何回あるかを数えてみたら、10回以上あったんです。よく、練習が終わった後、みんなで坂ダッシュ10本やるぞ、という指導者がいますが、それを60分の中に入れ込んでしまったようなものです。
ダッシュだけではありません。ダッシュした後、最後に必ずしゃがませます。これは、タックルをするときの動作の練習につながります。うちの部員がほかの学校と合同の選抜チームに参加すると、監督の周りに集合するときにしゃがむので、「何なんだお前らは」などと不思議がられているそうです。
たしかに、それをしていない他校から見ると、奇異に見えるかもしれません。
星野:ほかの学校と同じやり方では勝てないからです。ダッシュだけではありません。練習中もそうですが、試合中も水を飲む時間にミーティングをさせます。だいたい60秒ぐらいですね。休む時間はないのです。なおかつ、ミーティングでは、「もっとタックルしろよ」「気合を入れていこう」といった精神論的な話はさせません。60秒後には次への行動指針が決まり、間違いなく組織力が上がるような話し合いをしなさいと言っています。
トライを取った後も喜び合うのではなく、「トライは取れたけどこんなに長く攻撃に時間をかけるべきじゃなかった」「ラックちゃんとオーバーしている?じゃあ、次はちゃんと越えるところまで行こうぜ」というように。前回のプレーをどうすれば上回れるか、結論を出してから、次のプレーに臨みます。それが成功しても失敗しても、どちらでもいいんです。意図を持って、狙いを持ってやったかどうかが大切です。
練習や試合の時間の密度がとても濃そうです。
星野:例えば、毎日練習していたとします。きっと、スタッフの会議では、「明日は何のメニューをやる?」、と頭を悩ませることになります。練習時間が3時間あれば、2時間までは何をやるか決まったけど、残り1時間は何をやろうか、となります。この「何をやる?」はおかしいですよ。そんなことに悩むなら、必要最小限の2時間で生徒を家に帰して、勉強させた方がいい。
練習時間が長いと、本来やらなくてもいい、ルーティンワークのような惰性的なメニューがどうしても入ってくるんです。それって意味がない。逆に言うと、3時間やりたいのに60分しかない場合、そのメニューをどうやって60分へ凝縮しようかと考えた方が、よっぽどいい練習になるはずです。
スタミナをつけるより、疲れにくくする
しかし、練習が短いと、スタミナをつけるのが難しくないですか。
星野:確かに、短時間でスタミナをつけるのは限界があります。毎日3時間走り込みをしているチームには、どうしてもスタミナで負けてしまう。だけど、私たちには1日60分、または90分しかないという現実がある。ではどうすればいいか。試合中、できるだけ疲れないようにすればいいんじゃないか、というのが私の発想です。
ラグビーというのはどこでどんなスピードが求められるのか、解析してみました。トップスピードで走る時間はわずかで、70%程度の力で走る時間が非常に長いスポーツであることが分かったんです。そこでいかに疲れないかが、スタミナ維持のポイントになるはずです。
いかに体力をつけるかではなく、いかに疲れなくするか。これも逆転の発想ですね。具体的にはどうしたのでしょう。
星野:この70%の走りを、マラソン選手のような効率的な走り方にすれば、スタミナの浪費はかなり抑えられるはずです。ラグビー選手の走りは「ガチャガチャ」した感じがあり、決してスマートではありません。そして、節約したスタミナを、トップスピードの時に最大限活用するのです。そのために、陸上コーチ(里大輔・常葉大学陸上部監督)を招きました。
トップスピードを上げるためではなく、疲れない走りをするため陸上コーチを呼んだのですか。
星野:そうです。通常、陸上コーチを呼ぶ場合は、トップスピードを上げるのが目的の大半ですが、私はあえてそれを求めません。目的は、70%で走る際のフォーム改造です。そして、目をつけたのが練習時間以外の時間です。私たちは練習時間が短い。逆に言うと、ほかの学校より練習時間以外が長い。つまり、普通に歩く時間が長いということです。


そもそも陸上のトレーニングは、歩くフォームがすべての基礎になるといいます。どうリラックスして歩けるかが、長い時間を疲れずに走るためには大切です。じゃあ、通学の時間も歩くトレーニングができるじゃないかと気が付きました。今まではかかとをつぶして歩いていたような選手に、陸上コーチが指導するように歩かせました。胸を張ったり、かかとをしっかり使ったりとか。その成果が、70%の走りにも出ています。走り方は明らかに他校のラグビー部員とは違いますよ。とてもきれいなんです。今は、スタミナ不足が原因で負けることはなくなりました。
全生徒の4人に1人がラグビー部
花園でも勝てるようになってくると、ラグビー部に入りたいという希望者は増えるんじゃないですか。
星野:高校ラグビー部員は私がここに赴任した2007年は12人でしたが、今は55人です。一貫教育の中学校も合わせると100人います。これは、全生徒の4人に1人がラグビー部という計算です。しかし、ラグビー特待生を受け入れるようなことは、あえてしていませんし、ラグビーだけがやりたいという生徒も入ってきません。
特待生は、もっと強くなるための手段かとも思いますが、なぜやらないのですか。
星野:小学校時代から本格的にラグビーをやっているようなエリートの特待生をどんどん入部させて、全国大会で勝ったとします。それも組織で結果を出すためには効果的な手法だと思いますし、エリート教育は絶対に必要です。しかし、その手法でなければ勝てないというジャンルになってしまった場合に一般の人たちは果たしてどこまでわくわくするでしょうか。勝てたとしても、おそらく、ラグビー好きや関係者ばかりの「ラグビー村」の出来事で終わってしまいます。
私がラグビーをやっていた学生時代、そして電通で働いていた頃も含め、才能のある人をたくさん見てきました。ですが、多くの組織では、分かりやすい才能を持っていない人の比率が大半のはずです。私は静岡聖光学院ラグビー部で、選手一人ひとりが自分は今の状況で何ができるか、この環境のままでどこまでやれるか、そして、自分の特長は何なのか、自分の特長をどう作っていくのか、そんなチャレンジをし続けられる人材を育てていきたいと思っています。
練習環境もそうですが、制約が多い中で、自分たちなりのマネジメントの工夫や情熱でチームが花園に出場し、私たちのチームが大きな結果を残すことが出来たら、ラグビー村だけでなく、多くの人に勇気や感動を与えられるはずです。私はそうあり続けたいし、生徒にもそんなハートを持ち続けて社会に貢献し、活躍してほしいと願っています。
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  1. 2016/04/10(日) 04:07:58|
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kanakita

Author:kanakita
大阪府堺市立金岡北中学校ラグビー部です。部活動以外の行事なども写真&動画レポートします。よろしくお願いします。

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