1. 無料アクセス解析

堺市立 金岡北中学校 ラグビ-部

心身ともにたくましい男子を目指します!!

チーム

未来授業~明日の日本人たちへ

岩渕健輔さん~2021年の日本ラグビー


今回の講師は、ラグビー日本代表のゼネラルマネージャーである岩渕健輔さん。1975年12月30日、東京都生まれ。小学生のときにラグビーをはじめ、青山学院大学在学中に日本代表に初選出されました。神戸製鋼入社後にはケンブリッジ大学に入学し、イングランドプレミアシップのサラセンズへ入団。2009年には日本協会入りし、2012年から日本代表のゼネラルマネージャーを務めていらっしゃいます。近著『変えることが難しいことを変える。』(ベスト新書)も話題を呼んでいます。 
日本ラグビーが今後成長していくためには、どんなことが必要なのでしょうか? さまざまな考えをお聞きしました。

ゼネラルマネージャーとしての役割

ラグビー日本代表のゼネラルマネージャーになったときに、自分自身で「まず世界のトップ10に入りましょう」という目標を立てました。ラグビーのワールドカップはこれまでずっと行われてきましたが、日本が勝ったのはたった1回だけなのです。ましてやベスト10にも入ったことがないような状況のなかで、「どうしてベスト10になれなかったのか」「どうしてワールドカップで勝てなかったのか」ということを分析しました。

その結果、はっきりしたことがあります。ラグビーは体格の影響が得点にも出てきてしまう競技なのですが、最初から「日本人は小さいから無理だ」というスタンスでの勝負を避け、パスさばきや、日本がうまいと思ってきたことに勝負をかけてきたところがあるのです。

ただ、そんななか、これまでワールドカップに行ったチームは、「残り20分から走れませんでした」「やはり体格の差がありました」と、わかり切ったことを言い訳にしてきたのです。そこでヘッドコーチのエディー・ジョーンズとも、「ワールドカップが終わったあとに、サイズや体力を言い訳にするような強化はやめましょう」と話をしました。それになにより、少なくともフィジカル面で同等にならないと、技術的な優位性は生まれてきません。そこで大きな改革の柱として、まず3つのことを決めました。

1つ目は、「世界一の指導者を揃えなければいけない」ということ。2つ目は、「世界一のラグビーの強化プログラムとして、強い相手とたくさん試合をする」ということ。3つ目は、「代表チームが中心になるような体制をつくらなければいけない」ということです。

スタッフについては、最初にエディー・ジョーンズを決めました。彼は世界的な指導者であり、世界的な実績を持っていて、世界的なネットワークを持っている。そして日本のラグビーをよく知っている。これらの観点からヘッドコーチにしようと決めたのです。そして、彼のグローバルなネットワークを使って、いろいろなエリアのトップの指導者を集めることにしました。

ラグビーの場合は伝統国といわれるイギリス・フランス・ニュージーランド・オーストラリア・南アフリカが、ラグビーの国際社会のなかでの発言力が非常に強い。ですから、これらの国と試合をするのが難しい。ラグビーの国際試合は年間6試合しかできません。しかも強豪国同士で試合を組んでしまうので、そこに日本が入っていくのは困難なのです。そこで、会社でいえば営業活動のように、日本のよさや日本と試合をすることのメリットを説きながら、試合をたくさん組んでいきました。

代表チームを中心とした体制をつくることについては、国内のリーグも盛んで、試合もたくさん行われています。しかし各チームの準備や思惑もあって、いままでは代表チームが揃ってたくさん練習をすることがなかなかできませんでした。私たちもエディー・ジョーンズと一緒に日本のチームを回り、代表チームが勝つことの意義、あるいは2015年、2019年のワールドカップで成績を出すことが、日本のラグビーにとってどれだけ有意義かということをみなさんと話し、従来にないくらいの年間活動日数を代表チームとしてこなすことになったのです。

スーパーラグビーに参戦する意味
ワールドカップの目標は、チームとしてベスト8、決勝トーナメントに出場することにしていました。しかし、それができなかったので、達成度を点数にすると0点かもしれません。しかし、いままで1勝しかできなかったチームがワールドカップで3勝したわけで、しかも3勝して決勝トーナメントに進めなかったのは初めてのケースということですから、50点ぐらいかなと思っています。

初戦の南アフリカ戦に勝って、その3日後にスコットランド戦がありました。南アフリカに勝つまでに費やした準備と達成感、次の試合に向けての準備という切り替えが、選手もスタッフもうまくできませんでした。

ワールドカップ初戦に向けては何カ月間も準備をしていたのですが、3日後に強豪のスコットランドとやることになっていたので、どうしても準備が足りなかった。でも国内のレベルが高く、毎週ハードなゲームができていれば、切り替えは今回よりもうまくいったのではないでしょうか。そういう意味では、やはりスコットランド選手たちとの力の差を少し感じました。

スーパーラグビーは、もともと南半球のニュージーランド・オーストラリア・南アフリカから4、5チームが出場し、年間15試合、プレーオフまで進めば17~18試合行われていたもの。世界でもっともハードなリーグのひとつといわれています。そこに2016年2月からアルゼンチン、日本も加わり、合計18チームで2~8月までの間に試合が行われます。ただ、果たして日本がそのレベルにあるのかということが、まず大きなポイントです。

2013年に強豪チームのひとつであるウェールズやイタリアに勝ったため、世界からの日本に対する評価が少しずつ高まってきました。リーグは新たなマーケットとしてアジアに注目していたので、そんななかで日本が認められたということだと思います。

世界のトップレベルを間近に見たり経験したりすると、国内のレベルが上がることになります。そういう意味で、世界でトップのリーグのひとつであるスーパーラグビーのチームに日本が参戦し、選手たちがハードな試合をたくさんこなすと、日本代表も気運が高まります。そして、その選手たちが日本国内のリーグでもプレーをすることで、国内リーグのレベルがより上がっていく。そういうかたちに変えていきたいと思っています。

私がエディー・ジョーンズにヘッドコーチを任せると決めたときの3つの柱は、「世界的な実績を持っていること」、「グローバルなネットワークを持っていること」、そして「日本のラグビーを理解していること」です。さらに今度はワールドカップ3勝以上が目標になりますので、それをどう達成できるか。その道筋をエディー・ジョーンズとは違ったかたち、あるいは彼がやってきたことにプラスアルファして示せる人物が必要だということで、我々としても人選にはかなり苦労しました。

スーパーラグビーにも参戦することになり、そのなかで指導者となる人物が実績を上げ、代表チームのヘッドコーチ、そしてコーチになるようなかたちになっていく。そういういいスパイラルが生み出せればいいなと思っています。
リオ・デ・ジャネイロ オリンピックへのチャレンジ

オリンピックとなると、伝統的なラグビーの考え方とは全然違います。特に女子のラグビーについては、みんなある程度同じようなタイミングで強化をしはじめたような背景があります。

この5年くらいは各国のオリンピック委員会が、女子バレーや女子バスケにはあまり資金を投下せず、とにかくラグビーをプロにしようとしてきました。ですから、競争が激しい、かなり厳しい状況からスタートしたのです。特に2010年のアジア大会のとき日本はベスト8で負けて、それをなんとか4年でオリンピックに出場させなければいけなかったわけです。

15人制の男子チームの選手たちは、かなり過酷な練習をしたと話していますが、女子の選手たちもかなりハードなトレーニングをしました。その結果、オリンピックへの切符を取ってくれたので、正直なところ本当にホッとしています。

15人制は前半・後半40分ずつで合わせて80分あるのですが、7人制は7分・7分の14分のゲームです。そこが7人制と15人制のいちばんの違いです。グラウンドやボールの大きさは一緒ですが、人数や時間が少ないので展開はスピーディですし、ゲームとしても早く終わってしまいます。早く終わるということには、注目すべき点があります。ラグビーは試合のなかに流れがあるのですが、7分しかないと、流れが戻ってこないままゲームが終わってしまうケースがあるのです。

ですから、足が速く、すばしっこいことが有利になります。実は、男子ではいま、15人制のラグビーではなかなか話を聞かないような、ケニア、アジアではスリランカなどの国が世界トップクラスです。これらの国も15人制ではトップ10に入っていないのですが、スピードや俊敏性がプラスになっている。あまり体は大きくないのですが、すばしっこいのです。それからトリッキーさ、つまり変わったプレーをすることで、世界のトップにいられるようになっています。

日本がオリンピックでメダルを取るには、やはり最強のチームをつくらなければなりません。他の国々、たとえばニュージーランド、オーストラリアなどは15人制をやらない選手で7人制を構成しています。要するに、15人制と7人制を完全に2つに分け、別々に強化しているのです。すばしっこくて、かなりの量を走っていなければいけないとなると、体のサイズもスラッとして痩せた選手が多くなってくる。そこで、体重を落とさなければいけない選手も増えてきています。

ただ、日本はラグビーそのもののレベルが世界的にはまだトップではありませんので、オリンピックでメダルを取ることを考えると、15人制でトップの選手も7人制をプレーしないとメダルは取れないだろうと考えています。でも、15人制から7人制にスイッチするときは、選手によっては5~10キロ減量しなければいけないので、世界のトップで両方やるとすれば、体重を落としたり増やしたりしなければならないという状況が生まれます。

ラグビー復権のためにすべきこと
1980年代はたくさんのお客さんがラグビー場に足を運んでくださって、お正月にテレビをつけたら、6万人のお客さんが集まったラグビー中継をやっているというような状況がありました。街でもラガーシャツを着ている人が多く、「ラグビーのことは知らないけれど、ラガーシャツは着ている」という人がいるほど、ラグビーは社会とつながっていたのです。

ただ、その後、代表チームがなかなか勝てなくなったり、あるいはサッカーのJリーグができたり、また野球でWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)がスタートしたりしたこともあり、この20年くらいはラグビーが存在感をアピールできないような時代だったと思います。代表チームの試合になかなかお客さんが来ていただけないという状況も10~15年続きました。

そんななかでお客さんが来てくださるゲームにするためには、まず「日本代表が強いこと」、そして「相手がなによりも強いこと」、この2つを満たさなければいけないことになります。そこで強いチームを日本に呼び、日本代表が勝つ。そういうことを試みるために、この4年間いろいろな強いチームを呼んできました。

いちばんやりたかったのが、世界でいちばん強いといわれるニュージーランド代表を日本に呼ぶことだったのですが、それは2013年に実現できました。でも、ひとつ感じたことがあったのも事実です。私としては、日本代表の試合のときにはお客さんにも日本代表のジャージを着て、日本代表のジャージの色で競技場を埋めて応援してもらいたかったのです。

ニュージーランド代表とやったときは、ほとんどのお客さんが日本のジャージを着てくださったのですが、「オール・ブラックス(All Blacks)」と呼ばれるニュージーランド代表の黒いジャージを着ているお客さんも多かったのです。それは、「まだまだ日本の代表チームに誇りを持てないから、ニュージーランド代表を応援しよう」という方々がいらっしゃったということです。それを変えるには、どうしてもワールドカップで勝たなければならないわけです。

そういう意味では、今回のワールドカップで選手たちがやってくれたことの大きさは、新しい方々へラグビーの魅力を訴求したことだったと思います。ですから、本当に選手たちには感謝しています。逆にこれから先の5年間、そのきっかけをいかに先へつなげていくか、それが我々の大きな仕事ではないかと思っています。

2019年のラグビーワールドカップは日本で開催されます。私は2015年のワールドカップがいかに重要かということを、ずっとチームなどにも話をしてきました。ずっと、「ワールドカップの目標はベスト8」だといってきたのです。しかし、ベスト8はオリンピックでいえば入賞です。「入賞を狙います」といっている競技は、誰も応援しないと思うのです。

仮に入賞しても、それは選手としてはすごいことではあるのですが、社会に対する力にはなり得ない。オリンピックで入賞した選手をおぼえている人は、そんなにいないと思うのです。注目されるのはメダルを取った人だと思うので、2019年にはなんとかベスト8よりも上の目標を掲げなければいけないと考えていました。

今回、「2015年のワールドカップでベスト8」といい続けてきたのは、2019年の目標をどうしても最低でもベスト4にしなければいけないからです。ベスト4はオリンピックでいえばメダルになりますので、2019年のワールドカップでは最低でもベスト4に行くようなチームにしていかなければいけないのです。

2019年のワールドカップと2020年のオリンピックは日本で行われるので、いろいろなかたちで日本のみなさんにラグビーに接していただきたいと考えています。そしてそれが、ラグビー界にとってはすごく大きなチャンスになると思っています。

しかし2021年以降はそういった大きなイベントがしばらくない状況になってしまうので、まずはとにかく2019~2020年に代表チームが活躍できるようにしたい。それをきっかけとしてラグビーが日本、アジアあるいはスポーツ界や社会のなかでしっかりとしたプレゼンスを持てるように変えていかないと、本当に今後5年のお祭り騒ぎで終わってしまいます。

たとえばいま、女子の選手たちはあまり恵まれない環境のなかで、みんながんばってきましたけれども、女子選手も安心してプレーできるような環境をいまから整備しておかないと、2019~2020年の成功をあとにつなげられないだろうと思っています。
スポンサーサイト
  1. 2016/02/20(土) 03:03:14|
  2. 未分類

プロフィール

kanakita

Author:kanakita
大阪府堺市立金岡北中学校ラグビー部です。部活動以外の行事なども写真&動画レポートします。よろしくお願いします。

カレンダー

プルダウン 降順 昇順 年別

04月 | 2017年05月 | 06月
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -


最近の記事

RUGBYブログ

↓ ラグビ-のブログ

にほんブログ村 その他スポーツブログ ラグビーへ

カテゴリー

FC2カウンター

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索