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堺市立 金岡北中学校 ラグビ-部

心身ともにたくましい男子を目指します!!

ワールドカップ

通訳が見たラグビー代表「奇跡の23日間」

エディーさんも五郎丸も泣いた

佐藤秀典(ラグビー日本代表通訳)



南アを倒し、三勝一敗。 

W杯激闘の舞台裏で何が起きていたのか

試合終了三分前、南アフリカのゴール前でペナルティをもらった瞬間、エディーさんは「3点だ! 3点だ!」と叫びました。入れば同点となるペナルティゴールを狙えという指示です。私も間髪を入れず、「ショットです! ショットです!」とグラウンドに伝えました。
ところが、選手たちは同点ではなく、逆転トライを狙ってスクラムを選択した。


エディーさんは信じられないといった表情で、「どうしてスクラムなんだ!」と怒鳴り、私に対して「ちゃんと伝えたのか!?」と声を荒らげました。そして、スタンドから奥のコーチボックスに戻ると、激しく机を叩きつけるなど、怒りはなかなか収まりませんでした。
試合が再開し、体をブルブル震わせながら戦況を見守っていたエディーさんは、カーン・ヘスケスが逆転のトライを決めた瞬間、感情を爆発させました。
いつもは勝った後も淡々としていて、スタッフと握手を交わすだけなのに、この時ばかりはみんなとハイファイブを交わし、かなりエキサイトしながらこう叫んだのです。
「すごいことが起きた! これは、すごいことだ!」


そして会見を終えてロッカールームに戻る廊下の途中で、エディーさんは私に向かって呟きました。
「ドリームズ・カム・トゥルー」
選手たちには「勝てる」と言い続けていましたが、さすがにこれだけの劇的な勝利は予測していなかったのでしょう。エディーさんの満ち足りた表情が忘れられません。


九月十九日、ラグビーW杯で過去二度の優勝を誇る南アフリカに対し、34対32で勝利し、日本ラグビー界の歴史を変えた日本代表。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が目指してきた準々決勝進出はならなかったものの、十月十一日のアメリカ戦も勝利を飾り、三勝一敗でW杯を終えた。
今回のW杯で日本代表の通訳として活躍したのが佐藤秀典氏(34)。今年四月にジョーンズHCから誘いを受け、通訳に就任したが、デスメタルバンドのボーカルという異色の横顔も持つ。
「言葉を運ぶだけではなく、エディーさんとスタッフ、そして選手たちの仕事を円滑に進めるための潤滑油」という重責を担った佐藤氏が見た、W杯の激闘とは。
今回のプロジェクトがスタートした時点から、二〇一五年九月十九日の南アフリカ戦に勝つことがターゲットとして設定されていました。練習には、「ビート・ザ・ボクス」(「南アフリカを倒せ!」)というメニューがあったほどで、エディーさんはすべての力をこの一戦に結集させるべく、周到な準備を進めていました。

一人一人と「エディー流面談」

チームは四月から宮崎で合宿に入りました。早朝から始まる一日三部、時には四部に及ぶ練習は、選手のフィジカル、メンタルを共に追い込む厳しいものでした。エディーさんは「誰を一緒のバスに乗せるか、ふさわしい選手を選ばなければならない」と目を光らせていましたが、七月からの前哨戦ではなかなか結果も伴わなかった。正直、選手たちも「これで大丈夫なのか?」と不安に思っていたのではないでしょうか。チームの雰囲気がガラッと変わったと感じたのは、九月一日にイングランドに到着してからでした。
ロンドンのヒースロー空港に到着すると、W杯専用のゲートがあり、移動には日本チームのカラーリングが施されたバスに乗る。そうした演出を目の当たりにして、「すごい、すごい」、「いよいよ来たんだ」と、選手たちのテンションがW杯モードに切り替わったのです。
本番直前の合宿ではフォワード(FW)の仕上がりがよく、エディーさんも満足気でしたが、バックス(BK)の状態がなかなか上がってこない。スタッフ・ミーティングでエディーさんは、「FWは素晴らしい」と賞賛しつつ、BKのことはあまり口にしません。そうすることで、BKのスタッフにプレッシャーをかけていたのだと思います。
大会が近づくにつれ、エディーさんは選手との個人面談の回数を増やしていきました。「練習終了後に、一人一人、全員と話がしたい」とエディーさんが言えば、私が選手たちにそれを伝え、分刻みの予定表を作って面談を始めます。
個人面談はいつもだいたい一分か二分で終わり。五分以上かけたことはありません。話すべき内容を絞り、パッ、パッと話していく。エディーさんがどんどん話して、最後に「何か質問はありますか?」と聞くのですが、田中史朗ら一部を除けば、たいていの選手の返事は「ありません」で終わる。それが「エディー流面談」です。
エディーさんは「超」がつくほどの完璧主義者。選手面談はもちろん、とにかく、やり残したことがゼロになるまで徹底的に準備する。おそらく南アフリカ戦まで「こうすればよかった」という後悔は、ひとつもなかったのではないでしょうか。
エディーさんの考えを通訳して伝えるのが私の役目ですが、エディーさんは日本語で話していたかと思うと、急に英語に切り替えて話したりします。私もそれに合わせて、日本語から英語、英語から日本語と頭を切り替えなければならない。ある選手から「すごいですね。佐藤さんの脳味噌、どうなってるんですか?」と褒められるくらい、アクロバティックな通訳を求められました。


エディーさんは、すべての選手、スタッフに、プロフェッショナルな仕事を極限まで要求するのです。
南アフリカ戦の前はコーチ陣に対してこんな要求をしました。「選手たちが緊張してはいけないから、コーチ陣は絶対にそういう空気を出すな」。私の目からはエディーさんがいちばんそういう空気を出しているように見えましたが(笑)。




「俺たちのチームだ」
試合の前々日は、最後のコンタクトを含む練習でしたが、正直、出来はあまり良くありませんでした。判断ミス、イージーエラーも多く、選手たちの動きが硬い。
ところが、試合当日になってみると、選手の雰囲気がガラリと変わっていました。朝、ホテル前のビーチにあるバスケットコートで「ウォークスルー」と呼ばれる一種のゲームリハーサルがあり、そこで見た選手たちはとてもリラックスしていて、動きもよかった。あまりの変化に驚いたほどです。
このあたりから、「俺たちのチームだ」、「俺たちはやることはやってきた」といった、「自分たち」を意識する発言が増えてきた。最高のタイミングで、選手たちの集中力が高まっていました。
ウォークスルーが終わると、ビーチ沿いにあるカフェで、エディーさんはポジションごとに選手と話をしました。

エディーさんは試合当日であるにもかかわらず、とても穏やかな表情を浮かべていました。

そして、コーヒーを飲みながら主将のリーチマイケルにこう話しました。
「我々に失うものは何もない。もしも、ゴール前に攻め込んでトライを狙えると思ったら、攻めていい。フィールドで感じたことに素直になればいい」
その言葉が、奇しくも試合の最後の場面の伏線になったわけです。
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  1. 2015/11/22(日) 03:51:38|
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Author:kanakita
大阪府堺市立金岡北中学校ラグビー部です。部活動以外の行事なども写真&動画レポートします。よろしくお願いします。

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